会社経営豆知識  
 

アルバイトの雇用契約書について

質問内容
役員のみで会社を運営していた経営者です。
最近、業務多忙により、パート・アルバイトの雇用を考えております。
雇用契約書について以下の疑問点に回答いただけますでしょうか。

・そもそも雇用契約書とはどのようなものなのか。
・パート・アルバイトにも雇用契約書を作成する必要があるのか。
・シフト・期間・給与といった条件が変わる度、雇用契約書を更新する必要があるのか。

回答
・そもそも雇用契約書とはどのようなものなのか。

 類似するものに労働条件通知書があります。
 労働条件通知書は、雇用主が一方的に労働条件を使用者に通知するものであるのに対し、
 雇用契約書は、双方が署名捺印し、互いの意思の確認が明確にでき、
 業務に合わせた柔軟な内容になる書類といえます。

 つまり、合意があるため後の証拠となり、トラブルを防ぐ役割を果たします。


・パート・アルバイトにも雇用契約書を作成する必要があるのか。

 雇用契約書を法律上作成する義務はありません。
 労働基準法では「書面で明示」となっていますから、「労働条件通知書」として
 従業員に内容を説明して、これを渡せば法律上は十分です。

 もっとも、後のトラブルを未然に防ぐために「労働条件通知書」ではなく「雇用契約書」として、
 従業員が承諾した旨の署名捺印をもらって1部は会社で保管しておくべきです。
 そのため、雇用契約書は作成すべきです。
 また、最近の労使トラブルは、正社員よりも、契約社員、パート、アルバイトといった
 就業形態で雇用される非正規労働者の方が多いようです。
 そのため。この点からも作成しておく方をおすすめします。
 
 
・シフト・期間・給与といった条件が変わる度、雇用契約書を更新する必要があるのか。

 結論から申しますと、法律上、雇用契約書の更新は不要です。
 なぜなら、合意により労働条件の変更は可能だからです。

 不利益変更の場合であっても、雇用契約書は随時変更する必要は法的にはありません。
 もっとも、雇用契約と雇用実態が乖離し始めたら、契約書を作って雇用契約を更新する方が
 トラブルを未然に防ぐという観点からは確実です。

 この点に関しましては、変更の内容や程度によっては事務処理の煩わしさをなくすために
 説明会を開き合意のみで済ませるという手段をとるべきという社労士の先生もいらっしゃれば、
 トラブルを徹底的に未然に防ぐために雇用契約書を更新すべきという先生もいらっしゃると思われます。

 就業規則を作成することで、それを労働契約の内容とすることも可能です。